1947年頃に建てられ、その後数度の増築を経て1989年に取り壊された実家には
多い時で家族5人が住んでいました。
建て坪わずか11坪弱の平屋に、家族の生活を入れ込むために父がとった方法は
玄関から奥に進む部屋ごとに段差を設け、一番奥では床下に部屋がとれるほどの
高さの空間ができます。ここに子供室(当時は勉強部屋と呼んでいました)や
床下収納を設ける方法でした。
現在で言うところのスキップフロア形式です。
床下で高さが足りない部分は土を掘り下げ、小屋裏にも収納空間を造り込み
空間を余すところなく使い込んでいます。
さらに壁の一部を出っ張らせ、そこに床の間を設け脇の窓から光を取入れ
など美的センスもありました。
子供の頃、友達が家に遊びに来ると必ず「忍者屋敷だ」と驚くのを横目に
床下や小屋裏でかくれんぼをしたものです。